清掃業M社の経営戦略策定事例を中小企業診断士が解説。成長戦略やアクションプランに課題を感じる経営者必見の内容です。
中小企業診断士が解説!清掃業「M社」から学ぶ未来を拓く経営戦略策定の極意
こんにちは。co-ing経営支援事務所の中小企業診断士・行政書士、倉島悠輔です。
今回は、私が実際に支援した清掃業の「M社」の事例をもとに、経営戦略策定のプロセスと実践のポイントを解説します。
「経営戦略」と聞くと難しく感じる方も多いかもしれません。しかし、経営戦略とは「会社が将来どうありたいのか、そのために何をすべきか」を描く未来の地図です。地図がなければ目的地に着けないように、会社も戦略がなければ進むべき方向を見失ってしまいます。
M社は確かな技術と実績を持ちながら、将来の成長に向けて「会社の未来像を明確にしたい」という課題を抱えていました。そこで私は、現状の整理からアクションプラン策定までを一貫して支援しました。
経営戦略策定のプロセス
M社の未来を描くために、以下の流れで分析を進めました。
1.現状分析で「現在地」を把握
ビジネスモデルキャンバス(BMC)やSWOT分析を用いて、事業構造や強み・課題を洗い出しました。M社は「安全な高所清掃」「安定した品質」といった強みを持ち、ベテラン社員やOBの協力によって価値提供が支えられていることが明確になりました。
2.将来展望で「未来の姿」を設定
「10年後に売上9億円、従業員200名、『清掃業を誇れる仕事』にする」という明確な目標を掲げ、未来のBMCを作成しました。
3.ギャップ分析で「道筋」を描く
現在と未来の差を埋めるために必要な変化を整理。たとえば「清掃事業」から「ビルメンテナンス全般を提案できる高度サービス」への進化を方向性として示しました。
4.戦略マトリクスで「視野を拡大」
市場浸透、新商品開発、周辺分野展開など多角的な戦略を検討しました。
M社が策定した4つの経営戦略と3つのアクションプラン
【4つの経営戦略】
清掃事業の高度化:専門性をさらに強化
販路拡大:新規市場・顧客層への進出
商品開発:新サービスの開発と展開
人事労務環境の向上:働きやすさを整え、組織力を強化
【優先度の高い3つのアクションプラン】
清掃事業のマニュアル化・効率化:ノウハウを形式知化し、品質と効率を向上
採用強化:未来を担う人材の計画的な確保
ターゲット物件の開拓:新たな売上の柱を築く営業戦略
戦略を「絵に描いた餅」にしないために
戦略は実行してこそ成果につながります。そこで私は以下を重視しました。
実行ステップの明確化:マニュアル化を「対象読者の設定」「範囲決定」「ヒアリング」などタスクに分解し、所要期間を設定。
進捗管理と役割分担:定期的に進捗を確認し、必要に応じて修正。M社と私の役割を明確に分け、スムーズな実行を実現しました。
まとめ
M社の事例を通じて、経営戦略は会社の羅針盤であり、実行によって初めて価値を発揮することを改めて実感しました。
もし貴社でも、
「会社の未来像を描けていない」
「行動計画に落とし込めない」
といった課題がありましたら、ぜひご相談ください。
co-ing経営支援事務所は、中小企業診断士・行政書士として、貴社の強みを活かした経営戦略策定と実行支援に全力で伴走いたします。