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「強みが言語化できると、何が変わるか」── VRIO分析を経営の実務に活かす

スタッフブログ

2026.09.05


少し前になりますが、私が相談員を務めるTOKYO創業ステーションTAMAの公式ブログ「創業羅針盤Blog」に、記事を寄稿しました。

「私の強みって何ですか?」── VRIO分析で、ぼんやりした強みを言語化する方法

起業前の方に向けた記事ですが、内容は既に事業を営んでいる経営者の方にも深く関係します。まだお読みでない方は、ぜひ先にそちらをご覧ください。この記事は、あの記事の「続き」として書いています。

「私の強みって何ですか?」── VRIO分析で、ぼんやりした強みを言語化する方法(TOKYO創業ステーションTAMA 創業羅針盤Blog)


VRIO分析は、起業前だけのツールではない

TAMA記事では、VRIO分析の4つの軸を起業予定者の視点から解説しました。

  • V(価値)── 顧客にとって意味のある強みか?
  • R(希少性)── 競合が持っていないか、掛け合わせで希少になるか?
  • I(模倣困難性)── 簡単にまねされない理由があるか?
  • O(組織・仕組み)── 強みを届ける仕組みを設計できているか?

この問いへの答えを言語化することで、「なんとなく自分は〇〇が得意」という感覚が、「なぜ自分が選ばれるのか」という根拠のある言葉に変わる、というのが記事の核心でした。

では、すでに事業を営んでいる経営者が同じ問いに向き合うと、何が起きるでしょうか。


「強みは整理した」、でも使えていないケースがある

プランコンサルタントとしての支援の場でも、経営支援の場でも、同じ場面に出会うことがあります。

「自社の強みは把握しています」とおっしゃる経営者が、いざ銀行への説明や補助金の事業計画書を書く段になると、急に言葉に詰まる。

あるいは、Webサイトには「〇〇が強みです」と書いてあるが、実際のサービス提供や集客の仕組みがその強みとかみ合っていない。

こういった状況は、「強みを言語化していない」のではなく、**「言語化した強みが、実務に接続されていない」**ことから生まれています。VRIO分析で言えば、V・R・Iまでは整理できているが、O(仕組み)が設計されていない状態です。


強みの言語化が「実務で効く」3つの場面

強みがVRIOの4軸で整理されていると、経営の実務において具体的にどう使えるかをお伝えします。

① 補助金・融資の事業計画書

補助金の審査で問われる「差別化ポイント」「競合優位性」「取組の必要性」は、そのままVRIO分析の問いと対応しています。

  • V(価値)── 「この取組で顧客のどんな課題が解決されるか」
  • R(希少性)── 「なぜ自社がこの事業を行う必要があるか」
  • I(模倣困難性)── 「競合が同じことをできない理由は何か」

審査員が納得する事業計画書とは、「自社の強みが、なぜこの投資・この取組につながるのか」を論理的に説明できているものです。VRIO分析で強みを整理しておくと、この説明が格段にしやすくなります。

逆に言えば、「強みが言語化されていないまま書いた事業計画書」は、読んだ審査員に「なぜこの会社が選ばれるのかわからない」という印象を与えてしまいます。

② 経営戦略の見直し・方向転換の判断

事業を続けていると、新しいサービスを追加したい、エリアを広げたい、価格を上げたい、といった判断が必要になる場面があります。

こうした判断の際、VRIOで整理した自社の強みが「軸」になります。

新しい取組が自社のV(価値)・R(希少性)を強化するものであれば、戦略的に一貫しています。しかし、「なんとなく売上が増えそう」「競合がやっているから」という理由で動くと、既存の強みと整合しない事業が積み重なり、結果として「何の会社かわからない」状態になっていきます。

強みの言語化は、「やらないことを決める」基準にもなります。

③ 採用・外注先の選定

自社の強みが明確になっていると、「どんな人材が必要か」「どの業務を外部に委ねてよいか」の判断も変わります。

I(模倣困難性)の高い部分──長年かけて積み上げたノウハウ・顧客との信頼関係・独自の製法やプロセス──は、自社内に守り続けるべき領域です。一方、O(仕組み)の中で強みを届けるための補助的な作業は、外注や協力関係で補える可能性があります。

「何を守り、何を任せるか」という判断の根拠が、VRIO分析から導き出せます。


強みは「一度整理したら終わり」ではない

TAMA記事の締めに、「強みは『発見』するものではなく、『つくり出す』もの」と書きました。

これは、既存の経営者にとってさらに重要な視点です。

事業環境は変わります。競合が増えれば、R(希少性)は下がります。顧客のニーズが変化すれば、V(価値)の意味が変わります。技術の進化によって、I(模倣困難性)が崩れることもあります。

だからこそ、VRIOで整理した強みは、定期的に問い直す必要があります。「今の自社の強みは、今の市場でまだ有効か」という確認を怠ると、かつては差別化要素だったものが、いつの間にか「当たり前」になっていることに気づけないまま時間が過ぎていきます。


対話の中で、強みの輪郭がかたまる

TAMA記事でも書きましたが、強みの言語化は一人で完結させるのが難しい作業です。

自分では当たり前だと思っていることが、第三者から見ると強みだったりします。逆に、強みだと思っていたことが、問いかけられてみると根拠が薄かった、ということもあります。

co-ing経営支援事務所では、中小企業診断士として、このVRIOの問いを経営者と一緒に掘り下げる対話型支援を行っています。

「自社の強みを整理して、補助金の事業計画書に活かしたい」

「経営の方向性を見直したいが、何から手をつければいいかわからない」

「自社の強みが市場でまだ通用しているか、客観的に見てほしい」

そういった段階から、ご相談をお受けしています。答えを押しつけるのではなく、問いかけを通じて、あなた自身が自社の強みと向き合えるよう伴走します。

まずは30分の無料相談からどうぞ。三鷹・多摩エリアを中心に、オンラインでも対応しています。

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